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​大会長 西方浩一 (文京学院大学)

 第27回作業科学学術大会のテーマは「作業と社会変革」となりました.これまでの作業科学セミナーや学術大会においても作業と社会,参加については,議論されてきました.第15回では「作業科学と社会」,第20回では「社会の課題を作業のレンズで捉える」第22回では「参加とコラボレーション」そしてみなさんにとっても記憶に新しい第26回学術大会大阪では、「人と人とを繋ぎ,共生を可能にする作業」をテーマに活発な議論が行われました.私は共生社会を目指すには社会変革が必要なことと確信し、今回の学術大会テーマにつながる連続したものであると考えております.

 作業と社会変革は,作業科学の研究実践において世界的にも注目されています.Occupational Science EuropeのPartnershipであるInternational Social Transformation through Occupation Network (ISTTON)では,「作業を通じた社会変革」の啓発を行なっています.

 「作業を通じた社会変革」は,作業的・社会的不平等の改善のため社会システムや構造を再構築する手段として作業を用いることに焦点を当て様々なアプローチを指すものであると示されています.作業は個人から集団まで様々な形態で行われる活動の一群です.作業を通じて個人レベルから社会レベルに至るまでその価値観や想い、システムや構造が変化することで、その世界で生活する人々の作業も変化し健康やwell-beingに影響すると思います.

 本学術大会では、個人から集団、地域、社会の視点を盛り込み、社会変革を促進する作業と社会変革の先に不平等を改善することで作業的健康になることを目指すにはどのようなことか参加する皆様と議論したいと考えます.

 本学術大会実行委員は、埼玉地域で7年近く継続してきた作業科学の勉強会メンバーを中心に構成しました.その多くは文京学院大学の卒業生や教員などが中心になっています.今回の会場である文京学院大学は埼玉県ふじみ野に位置し、東京からもアクセスしやすく池袋から約30分となっています.近くには川越があり江戸の情緒を楽しむこともできます.皆様のご参加を実行委員一同心よりお待ちしております.

Let's enjoy lively discussion about "Occupation and Social Transformation" in Saitama

松井先生 写真.jpeg

​実行委員長 松井香那葉 (文京学院大学)

 2024年9月7、8日の2日間、日本作業科学研究会第27回学術大会を文京学院大学ふじみ野キャンパスで開催し、皆様をお迎えできることを大変嬉しく思います. 

 本大会のテーマは,「作業と社会変革」とさせていただきました.社会は,人と人が作業を通じてつながることで作られるものと考えます.社会によって価値が構成され,私たちの作業に対する考え方に影響を与えていると思います.そのため,私たちが普段何気なく行う作業を決めている時も,社会の価値観や環境に影響を受けていると思います.しかしながら,この作業と社会変革について,私自身,興味深く思っている反面,考え方が曖昧でもあります.是非本大会では,皆様との対話を通じて,共に考える機会を作れればと思います.

 本大会は “体験して考える”を1つのコンセプトとして企画しております.皆様と共に学びを深め,体験し,思考を共有する仕組み作りを,試行錯誤しながら企画・準備しました.埼玉県には,作業を通じて,人と人をつなぐ活動をされている方々がいらっしゃいます.当日はその方々の活動紹介と体験から,作業を分析し考える企画を準備しております.また,皆様の地域にも人をつなぐことや,思いもよらない活動をされている方がいらっしゃるのではないでしょうか.また,ご自身が関わられている方もいらっしゃるかと思います.当日は,それらの作業の共有と,社会変革についての検討も企画しております.作業に焦点を当て,共に考えることで,社会変革につながることを期待しております.

 本学は私の母校であり,在学時に作業科学の講義で作業,作業的存在について学んだ場所でもあります.その場所で,作業科学研究会の学術大会を作り上げる機会をいただきましたことを,大変嬉しく思います.ご参加される際には,是非本学へ足を運んでいただけますと幸いです.実行委員一同,皆様のご参加を心よりお待ちしております!

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